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2011年11月23日 (水)

感想:マネーボール

 ホークス日本一おめでとう&ありがとうございます! 声優の藤田咲さんも喜んでます(参照)。最終戦は怖くてまともにテレビを見てられませんでした。杉内ファンで山崎ファンで松中ファンで城所ファンなんだもの(笑)。縁起をかついでパジャマを変えたり、試合終了までお酒を飲まずにいたり、できるかぎりの悪あがきをしたなあ。


●感想:マネーボール

 マネーボールにしろビリー・ビーンにしろ、私も多少は知っています。でも、メジャーリーグはほとんど知りません。そして、この映画はあまり知らない方が面白いんじゃないのかな?という印象です。
 マネーボールでどのくらい勝ったのかとか、ビリー・ビーンがどういう人生を歩んでいるのかとか、そういう背景を知らなかったので純粋に楽しめました。皆さんにもぜひとも知らない状態で見て欲しいです。
 知っているとちょっとした選手と役者の違い、過剰な演出などが気になりそう。
 ただし、野球を知らないと楽しめないんだろうなあという特殊な映画です。野球ファンの方が絶対に楽しめる映画です。

 最近は日本でもFA(フリーエージェント)が盛んになって来ましたが、メジャーリーグではFA前提の補強になるようです。(メジャーリーグではトレードは日本よりも頻繁に行われます)
 日本でもそうですが、メジャーリーグでも金持ち球団と貧乏球団があって、FAで選手を強奪されるようです。そういった貧乏球団の悲哀が生んだ“新しい野球”がマネーボールです。
 ビリー・ビーンの苦悩や決断が丹念に描かれており、ブラピの喜怒哀楽に感情移入してたせいもあって、マネーボールが成功した瞬間には涙が溢れていました。勝ってるよ、勝ってるよ……って感じ。最近、実写を見るとすぐ泣いてる(笑)。

 メジャー球団のGMって所詮は裏方なんですよ。当然、主役は選手ですし。
 でも、この映画は裏方のGMが主役で、映画として面白いんですよ。こういうところがハリウッドなんだなあと思います。シナリオの作り方が洗練されているんですよね。
 背景の説明があり、伏線があり、ぐっと盛り上がるところがあり、伏線を回収する──マネーボールではそんな感じかな?
 ハリウッドのシナリオは何分に何をするべきかというノウハウがあるらしいんよね。マネーボールは分析に値する映画だろうと思います。
 日本では「はやぶさ」の映画が3作品公開される予定ですが、こういう地味なテーマ、裏方が主役な映画こそハリウッドに学ぶ方がいいんだろうなあと思いました。

 ソニー・ピクチャーズで野球といえば日米なので、日本を意識したのかイチロー選手がちょっとだけ映像で出てきます。ニヤリとしたけど、出さなくてもいいよなあという複雑な印象です。個人的には出さない方が嬉しいかったかも。良い映画のノイズっぽく思えたんで。ひねくれてるかな?


◯ホークス完全優勝の秘密

 ホークスが日本シリーズで中日に勝てました。11球団に勝ち越しての日本一なので、完全優勝と言えると思います。
 今年のホークスはなぜここまで勝てたのか? ファン目線で分析してみようと思います。

 まずはドラフトについて。
 かつてのホークスは根本マジックで逆指名と囲い込み(今年の菅野投手のような方法)を生かしたドラフトを行なっていました。でも、それが全て成功したわけじゃないんですよ。1996年・2002年のように大成功した年もあれば、1999年・2000年ドラフトのように思いっきり失敗した年もあるのです。
 小久保・松中・和田・杉内といった当時の名残はありますが、今年のホークスをつくったのは2005年と2006年ドラフトなのです。2005年は松田・本多、2006年は大隣・森福・長谷川・福田・山田──今年の主要メンバーでしょ?(2007年の大場・岩嵜も今後期待できます)
 2005年と2006年は希望枠はありましたが今のドラフト制度になる過渡期で、高校ドラフトと大学・社会人ドラフトに分かれていました。また、2005年と2006年のホークスは高校ドラフトで囲い込みに失敗しております(陽選手と大嶺投手)。陽選手を獲得できなかったので本多選手を、大嶺投手の外れ1巡目で福田選手を指名するという怪我の功名が起きているのです。
 2年間良いドラフトをすれば強くなるんですよね。実際、2005年は9人(+育成枠2人)、2006年は8人(+育成枠1人)と大量指名しています。ダイエー時代末期に金がなかったので指名できなかったんでしょう。それを一掃するための指名に見えます。

 そして、最近のホークスのドラフトの特徴は「ショートマニア」「中継ぎ投手」「強打の大学生」です。
 「ショートマニア」は川崎選手のFAを見込んでのものです。2003年以降、明石・金子・江川・本多・福田・李・藤井・立岡・今宮と二遊間の選手を毎年のように獲得しています。主に高校生で、外野手候補でも2軍で二遊間を試しています。ショート候補は身体能力が高いのでつぶしがきくようです。明石選手と福田選手は、今年は外野手としても活躍しました。川崎選手がいなくなるので、満を持してのショート挑戦ですね。
 「中継ぎ投手」は、ダイエー時代末期の三瀬投手の成功からきています。主に、中位から下位にかけて指名します。それ以降、甲藤・柳瀬・森福・久米・攝津・金と指名しています。その中で大成功だったのが、攝津投手と森福投手なのですね。(甲藤投手の復活に期待しています)
 「強打の大学生」は、おそらく強打の高校生を指名した失敗と松田選手の成功があって、この傾向になっていると思います。松田選手以降、長谷川・中原・柳田と指名しております。長谷川選手は大ヒットですね。(柳田選手にも期待したいです)
 かつては即戦力を獲得していたのですが、最近はFAで即戦力を獲得する方針に転換しています。大きな方針転換なので、ドラフトを予想するときは注意しています。

 続いて、トレードについて。
 去年のトレードが見事なんですよね。金澤投手と吉川投手を獲得しています。両選手とも戦力外のような扱いだったので、良いトレードではなかったかと思います。金澤投手では荒金選手と金子選手を、吉川投手では井手選手を放出しています。
 なぜ金澤投手と吉川投手が復活したのか? 攝津投手の真似をして制球力が向上したからとしか言いようがないんですよね。両投手ともにドラフト上位で指名されただけあって、ストレートに力があり良い変化球もあるのです。でも、戦力外に近い選手でした。攝津投手の担ぎ投げのようなフォームをまねて制球力が向上したとしか思えません。中日吉見投手を見ても分かるように、投手はコントロールですね。

 さらにFAです。
 横浜の内川選手と西武の細川捕手を獲得しました。人的補償が発生するのかと思いましたが、なぜか発生していません。プロテクトがうまかったのかな?
 ドラフトとトレードで主力選手と投手陣は整ったのですが、3番打者と捕手が手薄でした。そこにFAで3番候補の内川選手と正捕手候補の細川捕手を獲得しました。
 ピンポイントでズドンという補強なので、「ピンズド補強」と言われるようですが、当時はなぜ先発投手を補強しないのか?と言われていたと思います。
 先発投手は博打に思えますが若手および攝津投手の先発転向に期待したのでしょう。後から見るとピンズド補強だっただけだろうと思います。でも、見事な補強でした。

 外国人選手はカブレラ選手を獲得しましたが、これは3~4年前ぐらいに新しい外国人選手を獲得しては失敗していたので、日本で実績のある外国人選手を獲得しているようなんですね。
 カブレラ選手の成績はいまいちですが、小久保選手や松中選手が4番に居座ると外しにくくなるので、4番松田のためには必要だったと思います。

 ここまでは兵站ですが、続いて戦略の話に移ります。

 去年の変革で大きいのが、「年俸制度改正」と「ウェスタン・リーグ」ですね。
 まず、年俸制度ですが、去年より出来高重視に改正されました。詳細はわからないのですが。出来高の割合を大きく増やしているのと、ノルマを達成できなかった時にマイナスの出来高を設けたことが大きな違いだろうと思います。
 ノルマに関しても、マネーボールっぽく従来よりも出塁を意識しているのではないかと予想しています。というのも、松田選手は出塁率が大幅に上がっているんですよね。査定の影響が大きい可能性はあると思っています。

 そして、ウェスタン・リーグの活用ですね。去年はプエルトリコとオーストラリアに選手を派遣しています。
 プエルトルコでは岩嵜投手と大場投手が大活躍して、今年の躍進につなげました。オーストラリアには山田投手、福田選手、中村選手、怜王投手が派遣されて、山田投手と福田選手が躍進しました。特に岩嵜投手はプエルトリコで覚えたツーシームを武器にできたことが大きかったと思います。

 去年からではないのですが、伝統的にホークスでは「師弟関係」があります。オフシーズンの自主トレで、主力選手に若手がついていき合同で自主トレします。
 松田選手は松中選手と師弟関係ですし、本多選手は川崎選手と師弟関係です。他球団とも交流がありまして、山田投手がロッテ成瀬投手に弟子入りしてコントロールが大幅に向上しました。また、大場投手が和田投手に弟子入りして、今年は勝てるようになりました。
 この師弟関係は練習の方法や取り組み方に影響があるようなので、今後も続けていって欲しいと思います。

 最後に戦術についてです。

 ホークスの戦術は「走る野球」と「左右無視」だと思います。

 まず、ホークスの選手はとにかく走ります。ドラフトで俊足の選手を数多く獲得しているというのもあるでしょうが、秋山監督の野球が走る野球なんですよね。
 通常の球団では盗塁のサインがあると思いますが、今のホークスは選手が自由に走っています。実況や解説で盗塁に関して監督の判断を気にしていることがあるのですが、選手の判断なので当たるわけがありません(笑)。おそらく「待て」のサインはあると思います。でも、どんなときも走るものと考えた方がよさそうです。
 マネーボールで言えば盗塁は無駄です。でも、ホークスは盗塁します。盗塁そのものよりも、盗塁によってストレートが増えたり制球を乱したりという影響が大きいのかもしれません。今年は、川崎選手や本多選手が出塁すると、ストレートを内川選手が狙い打ちするケースが多かったように思えます。
 また、ファンからは非難されていますが、井出三塁コーチはギャンブルでホームに突入させます。5割の確率でセーフならば突入させるようです。理由は、打率は高くても3割だかららしい。5割の方が確率が高いようです。日本シリーズ最終戦はこれまでの本塁突入が生きて点をとれたのでしょう。

 そして、投手の起用も代打の起用も左右を意識しません。中継ぎ投手は1イニング投げますし、左投手相手でも左打者の代打を送ります。むしろ、実際のデータに基づいた相性を重視しているのではないかな?
 ホークスは左投手が得意な左打者、右投手が得意な右打者が多いんですよね。分かりやすいのは小久保選手と長谷川選手ですね。このあたりは日本シリーズでも分かりますよね。
 中継ぎは左右関係なく1イニングを投げていたので、「森福の11球」が生まれたのだろうと思います。
 なんで監督やコーチは左右病なんですかね? 一般的に左右の相性はあるというだけで、選手個々は違うよなあと思っています。何かしないと非難されるからなのかな?

 以上が今年の完全優勝の要因です。他にもあると思いますが、私は分かっていません。
 今年よりホークスは3軍制が始まり、若手が底上げされています。ウィンターリーグはホークスだけでなく巨人や阪神も始めました。ドラフトではロッテが良いドラフトを行なっていますし、ホークスはFAで和田投手や川崎選手が抜けます。
 来年は厳しい戦いになると思いますが、若手を底上げしてホークスは優勝を目指すのだろうと予想しています。何年かかるかわかりませんが、今年以上に楽しいチームができあがることに期待したいです。

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